生活

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ボヘミアン・ラプソディーという映画の好きなところ

普段映画を観て感想をぽつぽつ呟くことはあるのだけど、こうしてまとめて感想を書こうと思うような映画って自分にとってはあまりない。

ただボヘミアン・ラプソディー略してボラプが本当にわたしの心に刺さりまくってしまって、11/12の夜に初めて映画館で観てから毎日Queenの曲を狂ったように聴いているので、そんくらい好きならちゃんと言語化しておこうと思った。

ただそれだけの記事なので映画と違うこと言ってたり思い込みでモノを言ったりします。よろしくね。

 

現時点で劇場で5回鑑賞してるんだけど、なんでこんなに劇場行ってるのかというと、Queenの曲が大好きで(とはいえベストアルバムに収録されてるような曲しか知らないんだけど)、でもわたしフレディが生きてた頃の彼らをリアルタイムで知らないんですよね。フレディが亡くなったとき一歳くらいだったので。記憶ある方が怖いね。

いやね、もちろんスクリーンの中のフレディはフレディその人ではなくラミ・マレックだし、グウィリム・リーだしベン・ハーディーだしジョー・マッツェロなのは百も承知なんですけど。やっぱり動いてる!誰にも怒られないで大音量でQueen聴ける!!というのがすっごく大きいんだよ。だって普通のお家で映画館みたいな音量で音楽聴いたら超迷惑じゃん。そんで、メンバーを演じる俳優たちが本人たちに大変良く似ている、動きなんかもしっかり研究した上で撮影に臨んでるっていう。ライブの映像やPVしか見たことないけど、キラー・クイーンの撮影シーンであわわわ〜〜〜Queenおるやんけ〜〜〜って思ったわけ。だから行けなかったQueenのライブへ足を運ぶようにして、映画館へ通ってしまう。

だから逆にというか、初回の鑑賞では楽曲があまり流れないように感じるシーンなんかが少し退屈だったんだよね。Queen関係ないただの映画として観たならわりと凡作というか、悪くはないけどとびきりよくもないのかな、というのは正直な感想。それは5回観た今もあんまり変わらない。Queenの曲の力と俳優陣の熱演、それだけはマジですごいと思ってる。ただ5回通って曲だけ聴いてるのかというとそんなことはなくて、回を重ねるごとに俳優の演技の素敵さとか、そのシーンでその曲が流れる意味を想像してとか、なんやかやで毎回しっかり楽しんできっちりライブエイドでブチ上がって帰っています。凡作なのかなとは思うけど、わたしはとても好きな映画だなと感じてる。

というわけで以下感想です。

言わずもがなネタバレしまくってるので一応それだけ言っとくね。観てない人は早く劇場へ行ってほしいなと思います。

 

①ライブまでのシーンの描き方

わたしsomebody to loveがめちゃめちゃ好きなんです。そもそも大好きな曲が映画始まって一発目で流れるっていうラッキーな幸せ。いや実際の一発目は20世紀フォックスのファンファーレなんだけど。あのピアノの一音目が聞こえた瞬間涙がドバドバ出た。で、その「僕が愛すべき人をどうか見つけてください」って歌ってる曲をバックに何が起こってるかというとさ〜、大大大見せ場のライブエイドのステージに彼らが上がるまでの流れじゃない。

冒頭のこのシーンではフレディの背中だけにフォーカスしてるんだよ。ああ、フレディ・マーキュリーの物語が今から始まるのね、という感満々で大変期待をもてる幕開けだなと思った。でさ、でさ、ラストにも同じシーンがもう一度出てくるでしょ。でもさ、ラストでは『Queenの四人がステージへ上がる』っていう画で映してるのね。泣いたね。フレディ・マーキュリーだけではきっとここには来られなかったし、ブライアンもロジャーもジョンも、だれが欠けてもダメだったんだよ、ということが、ラストのこのシーンに来るまでにちゃんと描かれてる。(と思う。)

フレディは自分をパフォーマーだと言っていて(フレディ・ファッキン・マーキュリー!)、彼が最高のパフォーマンスをするのにはQueenのメンバーが必要不可欠だということに劇中で気づいている。

『自分が何者か』『自分の所属する場はどこなのか』、きっと人種やセクシャリティや宗教や、日本でぬくぬくと育ってきたわたしには想像の及ばないアイデンティティの問題をフレディは抱えていたのに違いない、と思う。

そういう彼が、Queenという家族に所属して、(ライブエイドに限らないんだろうけど、)この映画のクライマックスであるところのライブエイドという大舞台、『出演しなかったら死ぬまで後悔する』って断言するほどのステージにパフォーマーという確固たるアイデンティティでもって立つということの尊さが本当に、本当に、泣けるよね……。彼が探し求めていた愛すべき対象はパフォーマーとしての彼自身だったのかもしれないし、そういうふうに在るために必要なバンドメイトやメアリーやジムや、そういう彼の周りで彼を支えてくれていたたくさんの人たちだったのだろうね、と、ラストの方のライブ直前シーンを見ながら毎回思う。

なんというか陳腐な言葉になってしまうのをちょっと恥じつつ、やはりこの映画はフレディへの愛で製作されたのだな、などと思うのである。

あと単純に、

"each morning I get up I die a little

can barely stand on my feet."

という歌詞が映される画と被ってて、なんか、ほんと、自分の毎朝と勝手に重ねたりしちゃって泣いたりとかもした。うーん、したっていうか、していますね。

 

②ポール・プレンターという男

どんな映画にもスパイスというものは必要だと思っていて、それがこの映画ではポール・プレンターという役回りなんだよなあと思っている。

アレン・リーチやばない?????やばい。

初回観終えた後に、ポールの名前でググったりしたんだけどあまり情報がなくて、いまだに彼が実際のところどういう人だったのか分からないのだけど、ちょこちょこ見かけたりするのは『こんなもんじゃなかった、もっとクソみたいな人だった』というツイート。マジ?劇中でもだいぶだったけど……???と思いつつ、ご本人のことはいまだに全くわからないのでポールの劇中での描かれ方がとても好きだったという話をします。彼について知ってる人いたら教えてほしい。

わたし最初農場でのレコーディングシーンから出てきた人だと思ってて、最初にジョン・リードの隣にいた人畜無害そうな青年と全く結びつかなかったんだよね。2回目観たときに「あ〜〜!このやろ〜!!」って思ったんだけど。

なんかさ、気づいてよく観てるとさ、もう結構最初の方からフレディへの視線がアレなんだよな。キラー・クイーンの収録シーンでメアリーがフレディたちを見つめてるうしろにポールもいてさ、シーン切り替わる直前にメアリーから焦点がポールに移るじゃん。そのときの視線がさ〜。視線がさ〜!なんというか、自分の担当しているバンドの成功を熱を持って見つめている、というふうに解釈するのが自然なんだろうけど、フレディを見つめているであろうメアリーからのポールっていうのもあって、「あっ、こいつなんかあるな?」感がすごいんだよな。そこでウワッこの俳優好き!と思った。

そんで、love of my lifeを作曲してるフレディに迫るシーンがあるでしょう。もうさ、ポールがタバコ吸いながらフレディを見てる雰囲気がすでに、(あっ……やばい……フレディ逃げて……今すぐに……)みたいな空気を孕んでるんだよね。【一方が勝手に好意を持ってて、関係を迫ろうとしている】っていうの、別にゲイもヘテロも関係なくあることだと思うんだけど、なんかもうその舌なめずり感つうか。ゾワっとする感じ。フレディのlove of my lifeはメアリーだっていうのを知った上で無理やり唇奪った挙句に「僕は君のことを知っているよ、フレディ」って言うじゃん。言うじゃん〜。あれ順番逆だっけ?まあいいや。んでそれもさあ、観客としては「いやお前何もわかってねえから!!!」みたいに思わずにはいられない感じで言うじゃん。でも実際フレディゲイでさ。ある意味ではフレディよりもフレディのことを解ってるというか。こいつの言うこと全部否定してやりたいけど、けど、一理くらいはある……ぐぬぬ……。みたいな。なんかアッパレな嫌な奴役だなと思う。ここ観るたびにそう思う。

で、わたしが一番この映画の中で観てられないシーン。多分ここしんどくて無理って思う人いっぱいいるんじゃないかなって勝手に思ってるんだけど。フレディの家での乱痴気パーティのとこ。もうホントしんどくないですか??メアリーがいないのもしんどいし、フレディがメンバーにあしらわれてるのもしんどいし、我慢できずに帰宅を選ぶメンバーたちもしんどいし、空元気っつーかクスリのテンションなのかな?それで楽しげにしてるフレディもしんどい。なにより心底楽しそうなポールがしんどいんだ。この後の彼って、フレディをメンバーから引き離し、メアリーから引き離し、フレディの金でやりたい放題してほんっとムカつくオブムカつく野郎なんだけど、でもきっとフレディにマジで惚れてた部分もあるんじゃないかなって思うんだよな。フレディがsweetheartって呼んでるんだから、きっと互いに互いじゃないとダメなところもあったと思う。音楽的なところでフレディたちと共有できるわけじゃない。おべっかとはいえポールが最高だと言ったフレディのソロレコーディングではそれを否定されてるし、ロジャーたちからは蛇蝎の如く嫌われてるし(まあ自業自得なんだろうけど)、父親に死んだほうがマシって思われるくらい同性愛差別の強い地域出身で、そもそも愛することってなんだろな、という部分がポールにもきっとあるよね、と思うの。なんだろな。フレディに才能があって、金があったからダメだったのかなとも思うし、フレディに才能も金も無かったらきっとポールは見向きもしてないよな、とも思うし。

そういう関係性の中で、フレディを肩車して、ハイテンションで叫んで、フレディの女であり男でもあるように振舞って、「君たち似てきたね」と言われて、楽しくなかったわけがないんだよ〜。ジョン・リードをクビにさせて、ミュンヘンに移ってからメアリーやマイアミから電話かかってきてさ、ご機嫌で電話切るじゃん。フレディを自分のものにしたって思って嬉しかったんだろうな。最低だな〜!最低だよポール!でも少しわかるような気もしてしまうのだ。Queenという伝説的なバンドを自分の言葉で実質解散みたいな形に追い込んで、きっとその決断を取らせるためにフレディと蜜月を育んだのだろうし、目障りなメアリーの目の届かないところへ逃げ込んで、フレディは自分の言うこと聞いてくれてるわけでしょ。憧れて喉から手が出るくらい欲しかったものが手中にあって嬉しくないわけがないよね。信頼してたジョン・リードに裏切られたと思ってるわけだから、フレディもフレディでポールに依存してたみたいなところあるんじゃないかな……。だってそもそもなんでポールとそうなったの?って言ったら、多分メアリーと別れたからでしょ……。運命の人と別れて過ごさなくちゃいけなくて、自分にはもはや妻もいなけりゃ子がいるわけでもなし、他のメンバーには家族がいて、すぐ近くに自分と同じセクシャリティのしかも自分を好いてる人間がいる。そうなったらまあそりゃ依存するよねえ……。んで、ポールはポールで、すっごく嫌な言い方をするけど、他人に依存して食い物にして、そういうふうにしないと楽しさや幸せを実感できないっていうか。そういう人いるよね。いるね〜〜〜。は〜〜〜なんだろな〜〜〜わっかんねえ〜〜〜わっかんねえんだけどホントしんどいです。

もうさ、序盤からずっとメアリーへの敵意がすごいじゃん。敵意っていうか。俺は知ってるんだぜ感つうか。キラー・クイーンのときも、ライブ見てるときも、ライブ終わった後も、度々メアリーへ投げてる視線に敵意がこもりすぎてる。でも、フレディに関係を切られる直前に結局メアリーが会いに来るじゃん。無理だったねポール。メアリーには勝てなかったね。愛を勝ち取れずに自業自得で破棄される関係性しか築けなかったポール・プレンターという男が悲しくて情けなくて切なくてムカつく。

フレディはさ、メアリーを追って雨の中傘もささずにタクシーに取りすがるでしょう。でもポールはしばらく屋根の下から出てこねえじゃんアイツ。自分の立場がぐらついてるな?って感じ取って初めて雨の中いやいや出てくるんだよ。でも言い訳と保身ばっかりで、背を向けて出て行くフレディを追っかけるわけでもなく、今度はプライベートをテレビに売っちゃうでしょ。小者!!!ものすごく小者!!!あのあときっと、今度は違う男に取り入ってるんだろうな、と容易に想像のつくアレ。

ポールがもしも他人を真に愛することを知っていたなら、この物語のカタルシスは違う形になってたと思うし、スゲ〜むかつくけどほんとに不可欠なキャラクターだなと思うわけです。大変に分かりやすい悪役。こんな描き方していいの?と勝手に心配になるくらいメッチャ悪役。で、それをきっちり演じて見せたアレン・リーチマジパネェと思うわけですよ。ほんと、目線の一つとってもねばっこい。フレディに媚びてる演技とか、全くフレディのこと気にかけてないふるまいとかもすごい「あ、ああ〜わかるわ〜」みたいな感じ。語彙力がなくてごめんなさいね。でもほんと、わたしとしては彼のおかげで辛いシーンを何回鑑賞しても「いや〜アッパレ」つって、そういう次元で観てられたりするんですよね。

 

 

③radio gaga

久々にQueen四人が揃って、ライブエイドに出たいという話になったとき、ブライアンが言うセリフ。

"Where is Madonna?"

この時点でQueenはちょっと落ち目というか、前時代のバンドだよね、みたいな空気があるのは明白なわけで。今で言ったら誰だろう。ちょっと思いつかないけど、今の20代前半の人がもしかしたら浜崎あゆみなんかを見てそう思うのかもしれない。あゆ引き合いに出してごめん。他意はないです。ていうシーンがあって、ライブエイドで演奏するradio gagaですよ……。もう、歌詞が、劇中のQueenの現在をそのまま歌ってるみたいでさあ。これ劇中の話ね。実際どうだったかは知らないよ。知らないけども、ボヘミアン・ラプソディーの時とか、意味をなさない歌詞だとか言われて、でも曲はリスナーのものだって言ってあくまでも歌詞の意味を詳らかにはしないでしょ。それってさ、

"all we hear is radio gaga"

じゃんと思うんですよ〜。時代は必ずしもQueenを求めていなくて、Queenの歌う曲の歌詞に意味なんかないのかもしれなくて、でもさ、

"radio, someone still loves you."

でしょう!?観客は意味がわかんなくたってきちんとQueenのリリックを受け取って、自分のものにしている。ウェンブリーにいる、中継でライブを見ている誰もがsomeoneなんだもん。泣くでしょこんなの。こういうリンクをさせるためにきっとブライアンのあのセリフがあったんだろうけど、それでもやっぱり震えてしまうのだ。観るたび聴くたび、両手を挙げて、一緒に歌いたくなる。ライブエイドのシーンで一番好きなシーンです。いやどこ切り取っても好きなんだけどさ!

 

 

④登場人物魅力的すぎる問題

単純に可愛いというか、素敵なシーンがいっぱいあって幸せというだけなんですけど。いっぱいあるので思いつくだけ箇条書きにする。時系列は気にしないでちょうだい。

・コート褒められた後にメアリーの言う"thank you."

・keep yourself aliveのときに目を剥いてフレディを見てるジョン

・ファーストアルバム(だよね?)のレコーディングの試行錯誤あれこれ

・仕事へ行くために鏡をのぞいてるメアリーにフレディがいう"How beautiful you are."

・"He is the dentist." "dentist."

・↑のあとにフレディのお知らせを受けて各々衝撃を隠せないボラプボーイズ

・ブライアンの"This is BBC.""Where is Madonna?"

お茶目か〜!!

アメリカツアーのお知らせを引っさげてフレディたちの元へやってきたディーキーのニッコニコ顔

・レイの部屋でハバネラかけながらメンバーだけが楽しそうにしてるとこ

・農場で抑えきれずに口をムグムグさせながら作詞してるフレディ

・""NOT the coffee machine!!!""

ボヘミアン・ラプソディーのレコーディングシーン全般的に可愛いがすぎるね

・ラミのタバコの吸い方超うまそう、上映後必ず喫煙所へ行ってしまう。

・レイにマイアミが物申すシーン。音楽好きなのがよくわかる感

・ラジオ局のDJのちょっとゲイっぽい(偏見ではないんだけど文化的なイメージでこう表現してます)喋り。バァヘェミアァン・ラァハプソディ〜!あと乾杯の軽やかなグラスの音。でもメアリーの気持ち考えると辛い。

・フレディの新居でロジャーとかたく抱き合うところ。さみしいよな……。毎回泣きそうになる。

・これはしんどいシーンなんだけど、となりのマンションのメアリーに乾杯をねだるフレディ。話だけ合わせてテンションだだ下がりのメアリー。でもさあ、ここどっちの気持ちもわかるじゃん……。フレディのときもメアリーのときも両方あるじゃない……。しんど……。だよねえ、メアリーだってさフレディのこと大切だけどさ、でもなんだろう、すごく強い言葉を使うと「わたしは都合のいい女だよね?」というところに落ち着いてしまうと思うんだ。あのシーンの二人の関係性では。だってフレディゲイなんだもん。メアリーが付き合ってられないってなる気持ちもわかるし、『性を超えたところにある友情』という概念に(悪く言えば)甘えてしまうフレディの気持ちもすっごいわかるよ……。ここからメンバーとの溝も広くなって行くでしょ……。しんど…………。

・乱痴気パーティでフレディがメンバーの元に行く途中で何か耳打ちされた男子が遠ざかるフレディから目が離せなくなってるとこ。見過ぎ見過ぎと思いつつ、稀代のスーパースターにあんなことされたら腰も抜けるわな。

・ジム・ハットンがちゃんとガチでフレディを怒るところ。よかったねフレディ……怒ってくれる人がいたよ……からの

"I like you."

"I like you too."

likeを使っているところがとても好き。あなたのこと今はよく知らないけれど、でも人として好きだよ、こっちにはあなたに対する好意がちゃんとありますよ、という言葉と演技だなあと思う。

そして「おやすみ……いやおはようか」と言って去るジム。いい男か。いい男だよな〜。

we will rock youとanother one bites the dustの制作シーン毎回毎回クソクソクソテンション上がる。ディーコンかっこよすぎんか?黙ってあのベースのリフ弾き始めるのほんっとうにヤバイ。し、フレディとのやり取りなんかが、ああ本当にこのメンバーで曲作りしてきたんだもんなあ、と感じさせて熱くなる。マイアミの"I do it!"から曲に入るのもすごくカッコ良い。

・another one bites the dustの終わり、一人ピンスポット当たりながら肩で息をしているフレディ。この映画の中ではこの時点でもうすでに病気が迫っているのだな。

・ソロ契約を結んだって告げるシーン。優雅に紅茶飲んでんじゃねえぞポール!と思いながら、ロジャーの熱さとディーキーの冷めの対比が好き……。しんどいけど……。

・咳をしたら血が出て、そっと誰にも見られないようにティッシュを丸めるフレディ。

・"How could you……"

    "How could I……!?"

ただただしんどい……。そのあとちゃんとお祝いを述べられるフレディ、あそこである意味目が覚めたのだなと感じで泣いてしまう。

・under pressureの曲の入り……

・マイアミに連絡を取るフレディ。電話を切る前に「ジム」と彼の名前をちゃんと呼ぶところ。

・久々に集まるQueenの面々。「なんとなく」部屋からフレディを出すブライアン。「よかったら入って」と部屋に招き入れるジョン。なにも説明できないロジャー、話し合いを取りまとめるジョン。Queenにおける彼らの関係性をサッと描いてる気がする。

・病院の廊下で「フレディ・マーキュリー?」と聞くでもなく「エーオ」とだけ声をかける患者の青年。一言だけそれに答えるフレディ。

エイズをメンバーに打ち明ける直前、マイアミとアイコンタクトをとるフレディ。フレディがブチあげるメンバーだけに向けた演説。フレディ・ファッキン・マーキュリー!!!そりゃみんな泣いちゃうよね。

・フレディとジムを前に、会話を切り出すカシュ。友達はいいわね、と戸惑いながらも息子を優しく見つめるママ。父さんの言った通りだよ、というフレディを黙って抱きしめるパパ。分かりやすすぎ〜!と思いつつ毎度泣く。

・ライブエイドのシーン、ウェンブリーの出演者たちが作り上げてる熱気みたいなものが画面からビシビシ伝わってくる感じがしてメッチャあがる。

Queenが舞台に上がる直前の紹介アナウンス。「ご紹介できて光栄です」ってやつ。

・ジムとメアリーの対面。フレディとメアリーがお互いに大切な人を紹介しあえて、そのあとwe are the championでメアリーがジムに寄り添うところ。フレディを間近で愛している二人だからこその空気感。実際の二人の関係性と異なるのかもしれないってよく見かけるけど、このシーン入れてくれたおかげで大号泣である。

・ちゃっかりQueenの出番直前に音量をガッツリあげてるマイアミ。あなたもQueenのファンだものね。そのあとradio gagaを両手上げて歌ってるシーンもすごく好き。

Queenのステージに熱狂する観客のみんな。特にwe are the championで泣いてる白髪頭のおじさんにつられて泣く。エーオ!でフレディが高音ロング出した時の高揚感。観客だけじゃなくてスタッフもみんな沸き立ってるのが本当に楽しい。

・言わずもがなライブエイドのシーンは毎回立ち上がって歌いたくなるくらい素晴らしいと思う。

・エンドロールにdon't stop me nowのPV流すの、俳優とメンバーがどれほど似てたか答えあわせ感あって好き。

 

ざっと思いつくだけでこれくらいある。多分また観たら、ああここも好きだった、いやここも最高だわ、みたいなのがドンドン増えていくんじゃないかな。毎朝通勤しながらQueen聴いて、帰ってツイッターでタグを検索したりして、次はいつ観に行こう、川崎やお台場の劇場がすごいらしいぞ、とワクワクしながら師走を過ごしています。賛否両論あるのは知っているけど、こういう体験、まさに体験だよね。それをくれたこのボヘミアン・ラプソディーには本当に感謝している。史実とは異なるのかもしれないけど、これはブライアンとロジャーがみんなに見せたいと思ったQueenの姿なんだもんな。フレディ・マーキュリーという、もう去ってしまった人に対する愛情で形作られた素敵なファンタジー、おとぎ話、Queenのお話なんだろうな、ということでわたしは納得しています。

去ってしまった人やチームを指して「彼(ら)はまだ生きている」 って言ったりするよね。いやほんとまさにこういうことだよなあ、あの四人で活動していたQueenも、フレディ・マーキュリーも、まだまだ全く死んじゃあいないぞ、としみじみ思う毎日です。